警視庁 ランサムウェア復号ツール公開

警察庁は、ランサムウェア「Phobos」や「8Base」によって暗号化されたファイルを元に戻せる復号ツールを、2025年7月17日より警察庁の公式サイトで公開しました。
誰でも無料でダウンロードできます。

このツールは、FBIと協力して開発され、日本警察、ユーロポール、FBIで効果が確認されたことから、世界的なランサムウェア対策として公開されました。
Phobos/8Baseによる被害は世界中で少なくとも2000件も確認されており、このツールの公開により、多くの企業や個人が被害から回復できるようになることが期待されます。

現在話題になっている「Phobos（フォボス）」と「8Base（エイトベース）」は、世界中で被害が確認されているランサムウェアの種類です。これらのランサムウェアにより暗号化されたファイルには、「.phobos」や「.8base」といった特定の拡張子(ファイルの種類の目印となる文字)が付けられることが多いとされています。その他にも、「.elbie」「.faust」「.LIZARD」などの拡張子もPhobos/8Baseに関連している可能性があります。

復号ツールの概要

今回公開された復号ツールは、警察庁がアメリカのFBI(連邦捜査局)と協力して開発したものです。2025年6月には、警察庁サイバー警察局からヨーロッパの警察機関であるユーロポールにも提供されていました。日本警察、ユーロポール、FBIの三者間でこのツールの有効性が実証されたことから、ランサムウェアの被害を世界規模で減らすために、一般向けに公開されることになりました。これは、国際的なサイバー犯罪対策における大きな一歩と言えます。

復号ツールと共に、ツールの詳しい使用ガイドラインもダウンロードできます。
ガイドラインには、Phobos/8Baseで暗号化されたファイルの見分け方や、実際に復号を試みる具体的な手順が丁寧に説明されています。

被害に遭った際の対応

ご自身のパソコンや会社がPhobos/8Baseによるランサムウェアの被害に遭ってしまった場合は、速やかに最寄りの警察署や都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に相談しましょう。
被害状況の報告や今後の対応についてアドバイスを受けることができます。